インストール/綿矢 りさ【ネタバレ注意】

めちゃ早く読み終えました。文体がおもしろいです。内容だけを見ると「本当に小説になるのか？」って感じですが、文体が面白いので飽きることなくスラスラ読めました。読んでいて疲れることが無かったのは珍しいかもですね。ただ作品の文章より展開を楽しむ人はん？？ってなるかも。大きな展開は多分無い。無かったと思う。

若々しいのにチャラくない、古風とさえ思える文体が心地よいです。カラッと晴れた春の風って感じです。ふむ。ポエマーやな自分。

青春時代を切り取った作品は、どこか青臭かったり、性的になり過ぎたりするのに、文体や設定が程よくカラッとしていて、尚心に突き刺さる表現を可能にしていると思いました。ふむ。評論家やな自分。

母親との関係とか不登校の理由とか、もっと掘り下げると思いきやそうでもない。逆にそれが良かったです。母親が主人公の不登校を知ったときの反応が、なんか人間らしいというか、なんかこう、いいよな。説教しそうな母親なのにな。だからこその反応だったんだろうな。

結構お気に入りの人になりそうです。「蹴りたい背中」も読んでいるので後ほどレビューします。