ゴミバコ

本や音楽のレビューがあるかもしれません。別に通とかじゃないです。

思考の整理術/外山 滋比古

かための文章のターン。

意外にも面白かったです。

思考の整理術事態は今はそんなに使わなそうですが、一番面白いと思ったのは芸術における個性についての考え方です。

個性はいわゆる「触媒」。Aという物質とBという物質を用いてABという化合物を作り出すことを創作活動とするならば、個性は化合物には含まれないが、AとBを化合するのにはかかせない存在的な。

例えば悲しみとそれを乗り越える術を表現する際に、「悲しみはこういうものでこうこうして乗り越えていく!」と直接的に語るのではなくて、「雨が降って虹がかかる」みたいにすでにあるものに自分の思いを託して並べる。このもの事態に個性があらわれるんじゃなくて、ものの選び方とつなげ方に個性が現れる。ということですかね。

最近の若い人の歌詞とかを見て、なんかださいな~とかセンスないな~と感じてしまう理由がわかった気がしました。(私は何様なんでしょう??)

そう考えると俳句とか、生け花とか、想いを別のものに託すのって日本人は得意なのでは?

その関連でこのCMとても好きです。