ゴミバコ

本や音楽のレビューがあるかもしれません。別に通とかじゃないです。

本性/黒木渚

「超不自然主義」…「あなた、一年後に死ぬわよ」と占い師に言われてから二年。サイコはまだ生きている。その日がきっかけとなり、何も分からないまま占い師の仕事をしているサイコ。そして友人のエリは無機質のモノしか愛せない女。今は旦那と別れるといってうちひしがれている。その旦那とは、人間ではなく地蔵なのだ。こじらせてしまっている二人の女の行き着く先はどこなのか。

「ぱんぱかぱーんとぴーひゃらら」…その日暮らしをしている岩崎はある日、パチンコ大勝ちした。そんな岩崎に「お祝いに抜いてあげようか」と声をかけてきた女がいた。女は風俗嬢のアッコ。二人は一緒に住むようになるが、まともに愛し合っていられたのは束の間。二人の愛は奈落の底へ転げ落ちていく。

「東京回遊」…夫との生活に不満を持つ恵は、出会い系サイトで知り合った男に会うために東京へ向かった。だが、男とは思ったようにはいかず、飛び乗ったタクシーであてのない放浪をはじめる。結婚前女優になることを夢見ていた恵は、気のいい運転手との会話のなかだけで大女優になった自分を演じる。

ネタバレ注意です。

黒木さんの歌は前から聞いていて大好きだったんですけど、作家デビューしていらしたんですね。

歌の方が好きだったので、別に小説に期待していなかったんですけど、結構びっくりしました。かなり…すごくない?

作詞と作文って似ているようでかなり違うと思うんです。作詞はどちらかというと俳句とかに近いような。決められた文字数のなかで全て言葉で説明するのではなく、音やメロディにある程度たくして表現するっていうか。逆に作文は言葉しかないから、きちんと述べなくちゃいけないとか。黒木さんはどちらも双方の特性を理解して巧みに仕上げていてすごいと思いました。

でも「ぱんぱかぱーんとぴーひゃらら」を最後に持ってきちゃうか…胸糞が悪すぎました…っていうかえ?これで終わり?と思ってしまった。僕はもういっそアッコの新しいお店が実はやばくて仁さんがアッコの死体処理担当するかと思っちゃった。えげつなすぎるか。でも死体処理の話は出てくる意味あったのかな?仁さんは結局やってないっぽいし。